テレビュートップ

 アイピースは、望遠鏡の付属品ではありません。対物光学系が結んだ像を拡大し“目で見ることができる像”に変換する役割をにないます。眼視観望では「アイピースは望遠鏡光学系の半分」です。

 また、アイピースには個性があります。たとえば、スペックに由来するもの - 焦点距離、見掛け視界、アイレリーフ、外観重量など、です。そして、感覚的な面から - シャープネス、コントラスト、色調、などを広く包括した「見え味」も、アイピースの個性です。

 つまり、アイピースを取り替えることで、1本の望遠鏡で、さまざまな観望対象を、自分好みの観望スタイルで楽しむことができます。

 テレビューのアイピース群は、"(超)広角アイピース"、"長焦点アイピース"など、付属品のアイピースにはない、新しい視角の世界を体験できるものから、最小限の経済的負担でワンランク上の見え味をもたらすアイピース群まで、高性能なラインナップの宝庫です。以下、テレビューアイピースの特徴を簡単に紹介します。


プルーセル アイピース - 見掛け視界50°(PL40mmのみ43°)

焦点距離 8mm〜55mmまで8本のラインナップ。低倍率から高倍率までのフルにカバーするアイピース群です。Plosslという形式は古典的なアイピースですが、アル・ナグラー独自のブラッシュアップにより、この形式の中で最高の性能を誇ります。この形式の名品 - クラベやブランドン - をしのぐ、と米国で評価されたことが、テレビューアイピース最初の名声でした(Plosslはテレビューアイピースの処女作)。

比較的リーズナブルな価格もあり、付属品のアイピースからのグレードアップに最適です。また、バローレンズ(パワーメイト)と組み合わせて惑星観測にも素晴らしい性能を発揮します。

パンオプティック アイピース - 見掛け視界68°

焦点距離 19mm〜41mmまで5本のラインナップ。中倍率から低倍率をカバーする広角アイピース群です。全視野で実現する「固い」星像と、微光星が粒立ち、星雲の滑らかな諧調表現などが際立っています。望遠鏡付属のアイピースなどと覗き比べてみれば、アイピース性能が及ぼす低倍率対象の見え方の違いに感動を覚えるでしょう。口径差を覆すほどの威力を発揮すると言って過言ではありません。淡い対象でぜひ見比べてください。また、パワーメイトと組み合わせた惑星観望にも「色濃い惑星像」が楽しめます。

低倍率観望では「乱視」が星像を乱す大敵です。乱視補正レンズ「ディオプトロクス」の使用を検討してください。また、24mmと19mmは特に小型に設計され、ビノビューとのマッチングも最高です。

デライト アイピース - 見掛け視界62°

テレビュー最新のアイピースシリーズ。発売当初の 7mm、11mm、18.2mmにくわえ、新たに5mm、9mm、15mmが加わり6本がラインナップ(2016/April)。高倍率から中倍率をカバーします。20mmのロングアイレリーフをもつ準広角アイピース。スペック的には、かつての「ラジアン(レンズ供給停止でやむなく終了)」の現代版です。

ロングアイレリーフにより、携帯カメラによるコリメート撮影にも最適。メガネを掛けたままでも全視野が楽に見渡せますが、乱視の方には「ディオプトロクス」を推奨。惑星観測など、高倍率時にも乱視補正のメリット明らかになっています。

デライトは、イーソス - デロスの開発ライン上にあり、見え味も良く似ています。すなわち、明るくクリアーで雑味がなく、シャープネスとナチュラルな色彩感が見事にバランスしています。ラジアンの後継として、優秀な惑星用アイピースとしての資質は充分です。

デロス アイピース - 見掛け視界72°

焦点距離 3.5mm〜17.3mmまで8本のラインナップ。高倍率から中低倍率をカバーします。20mmのロングアイレリープを誇る広角アイピース。スペック的には、デライトをより広角にしたかたちです。

イーソスの開発テクノロジを受け継いでいるので、その光路図から「イーソスを引っぱって伸ばしたアイピース」とたとえられることもあります。ロングアイレリーフ20mmは上のデライトと同じ。その効能や機能は、デライトの欄を参照してください。

デロスの像質はイーソスとほぼ同じと言えます(イーソスの欄を参照)。特に、視野縁で惑星をとらえてもほとんど変形することなく見えることは(超)広角アイピースでは画期的的なことです(角倍率の歪曲収差が無い)。ドブソニアンでの惑星観望は言うにおよばず、面積体の対象がほとんどのディープスカイ観望での有効性は明らかです。

ナグラー アイピース - 見掛け視界82°

ナグラーズームを除けば、現ナグラーシリーズは3タイプ。いずれも初代ナグラーおよびナグラータイプ2に比べ、より良好な収差補正がなされ、よりシャープに、よりクリアーな視界が得られるナグラーシリーズです。

タイプ4 − 12mm、17mm、22mmと中焦点に的を絞ったシリーズで、ロングアイレリーフにより、メガネを掛けても覗け、乱視補正レンズ「ディオプトロクス」が装着できるので、乱視の方はこのシリーズを選んでください。微星が階調豊に視野を満たします。

タイプ5 − 16mm〜31mmまで4本のラインナップ。長焦点を実現したナグラーです。特に31mmはあらゆる望遠鏡で切り札となる「リッチフィールドアイピース」です。タイプ5は縮少設計なので、16mm、20mmはアイレリーフこそ短めですがコンパクトな外観に仕上がっています。特に16mmはビノビューで使える最も長焦点のナグラーです。

タイプ6 − 2.5mm〜13mmまで7本のラインナップ。高倍率から中倍率をカバーします。全品アイレリーフは12mmに統一、ピント位置も同焦点設計です。コンパクトで軽量なので小望遠鏡でも使いやすく、しかもナグラーシリーズの中では比較的リーズナブルな価格を実現しています。「最初のナグラー」をご検討ならタイプ6シリーズからお選びください。超広角の視野隅々まで微星が粒だつシャープネスは「新時代のナグラー」の見え味です。

イーソス アイピース - 見掛け視界100°(SXは110°)

焦点距離 3.7mm〜21mmまで8本のラインナップ。高倍率から中低倍率をカバーします。見掛け視界100°は、もはや人間の単眼で視覚限界を超えているのでは? とさえ感じます。アイピースを覗いて見える視野円が「宇宙への窓」だとすると、イーソスはその窓を取り払って宇宙を覗く感覚です。ためしにイーソスのあとオルソなどを覗いてみれば40°の視界は、まるで節穴のように感じられるはずです。超広角アイピースの最も大きな効能は、視覚の限界にせまる(あるいは超える)ことで感覚を撹乱し、結果として宇宙への臨場感(錯覚)が体験できることにあると思われます。イーソスSXシリーズの110°の見掛け視界は、完全に単眼での視覚の限界を超えています。双眼で見ることで、目はよりセンスアップし、イーソス(SX)と対峙することができます。視野円はより認めやすくなりますが、皮肉なことに、視覚の撹乱がより増強され、宇宙遊泳感のような感覚が体験できます。SXで見る月面はまさに月面を周る宇宙船からの眺めと錯覚します。ぜひ、ビノビュー+イーソスの幻覚宇宙を体験してください。

アイピースで見る宇宙の星に光学系の収差が加わると、臨場感もへちまもありません。イーソスは全視野でピンポイント星像なのはもちろん、倍率の色収差、球面収差など、諸収差がほぼ完全に補正され、星の光だけがピンポイント見えるクリアーな視界には、まったく雑味(濁り)がありません。高性能な望遠鏡で、灰色の空(曇天)の下で灰色の電柱や建物などを見れば、残存収差のあるアイピースでは、濁ってどんよりとした景色に見えます。イーソスをほかの同スペックアイピースと見比べれば違いは明らかです。

視覚の限界には限界がある以上、これ以上のスペック/性能は必要なのか? とイーソスを使えば実感することができます。イーソスは、アイピースのひとつの究極の姿です。

ナグラーズーム アイピース(見掛け視界50°

短焦点望遠鏡で最高倍率を実現するアル・ナグラー渾身の設計による短焦点ズームレンズ。見掛け視界こそ標準的ですが、全視野内、全ズーム域でまったく像質に変化がなく、ズーミングでピント移動がないため、その日のシーイングに応じ最適な観測倍率を瞬時に選ぶことができます。特に自動追尾付マウントでの惑星や重星観測には「決定版」。F8以下の望遠鏡で最高の成果を発揮できるでしょう。


バローレンズ & パワーメイト

バローレンズは2xと3xの拡大率、リーズナブルな価格にもかかわらず、高屈折率ガラスの採用により市販品では最高の性能を誇ります。

パワーメイトは2x〜5xまで4本のラインナップ。バローレンズより高い拡大率を実現しています。一般的に、バローレンズ(ことにショートバロー)はアイピースの瞳位置を変化させ、その結果、視野のケラレや瞳収差の増大につながってしまいます。これがバローレンズで拡大率を上げられない理由です。パワーメイトはバローレンズに「瞳補正レンズ」を加えることで、これらの弊害を根本的に解消し、高い拡大率の実現と併せて、アイピースとの相性問題もありません。パワーメイトは、もっとも進化したバローレンズの姿です。


パラコア2

短焦点ニュートン/ドブソニアンのコマ収差を取り除く補正レンズ。F3からF8までのニュートン反射に対応。テレビューアイピースとの組み合わせで、ニュートン反射でも全視野ピンポイントの星像を実現しました。アイピースの全視野がスイートスポットになるので、特にドブソニアンユーザーには必携のアクセサリーです。


ビノビュー

ヒトの脳のメカニズムに適った「双眼視」で観察できるアクセサリー。「2x合焦レンズ」を併用することで、ほとんどすべての望遠鏡で使用することができます。長時間観察が楽に行える快適さと、広角アイピースによる「スペースウォーク」感覚、立体的に浮かぶ星雲星団と球状に見える月や太陽、高いコントラストで観察できる惑星面模様など、両目で見る宇宙は信じられないほど新鮮です。