メガネが必要なときは?、by Al Nagler
アイピースの焦点距離 ÷ 望遠鏡のF値 = 射出瞳 たとえば、F10の望遠鏡に、焦点距離32mmのアイピースを装着したときの射出瞳は、「32mm ÷ F10 = 3.2mm」 で求めることができます。 ● 射出瞳を最大にするため、手持ちのアイピースのうち最も低倍率のアイピースを使い、アイピースの視野中心に明るい恒星を入れて覗きます。アイピースの視野中心には非点収差 (astigmatism) はありませんが、多くの場合、とりわけアイピースの光学設計がシンプルなアイピースでは、その視野周辺にはある程度の非点収差がみられます。 ● アイピースを覗きながら頭を回転させ、頭の動きに応じて像のかたちが歪んで見えるかどうかを確かめます。歪んで見えるときは、乱視があるか、視力にその他の不均一な特性があります。中高倍率のアイピースでは像質に問題が見られないため(射出瞳が小さいため乱視が判らない)、『低倍率のアイピース』自体に像質の問題があると誤解する人もいます。 ● 低倍率で像質の問題がある人は、次に示す二つのことを考慮したうえで、歪みの問題が改善したときの射出瞳を確認しておくとよいでしょう。 1. 眼鏡を掛けた状態で見ることを前提にしたアイレリーフの長いアイピースが必要なければ、一般的に軽量で小さく、より安価なアイピースか、アイレリーフの短い広角アイピースでもよいでしょう。一方、『眼鏡を掛けて直接星を観ること』と『望遠鏡で星を観ること』を瞬時に切り替えながら楽しみたい人もいます。 2. なお、眼鏡を掛けなければ、光のロス、散乱、反射はありません。 ● 以下、眼鏡を掛けないでも、視力低下無く覗くける射出瞳を、簡単に見つける方法を二つ紹介します。 1. 理想的な像質の射出瞳径になるまで、アイピースの焦点距離を短くするか、複数のバローレンズで倍率を上げていきます。この方法を用いたときの問題は、倍率を上げることで、望遠鏡自体または大気の限界に阻まれることがあることです。 2. おそらくこちらの方法が良いと思いますが、射出瞳径が最大になるアイピースを使い、望遠鏡の対物レンズの前をドーナツ状の紙でマスクすることで、望遠鏡のF値を変えていきます。 |
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