株式会社ジズコ

株式会社ジズコ

テレビューイーソスアイピース ”究極のワイドフィールド観望” 新登場、___Erik Wilcox、Astronomy Technology Today (November/December 2009)


テレビューイーソス 6, 8, 10, 13 & 17mm
はじめてナグラーアイピースで星を観たときのことは今でも忘れない。ナグラーと、それまで使っていたプルーセルの見掛け視界の違いは言うまでもないが、その真価を知るのはF値の小さな望遠鏡を使い始めてからだ。F8の望遠鏡では不満のないプルーセルだったが、F4の望遠鏡を使い始めると、にわかにその先を求めるようになった。なんでも試してみたい癖のある私はほんとうに数多くのアイピースをみてきたが、手元のアイピースケースはいつもテレビューアイピースが占有する。
また、はじめてイーソス13mmを使ったときのことも忘れられない。ずいぶん前のことになるが、南カリフォルニアのマウントピノスで、ベテランの観測家ドン・ペンサックといっしょに、買ったばかりのイーソス13mmを、ドン所有のトラス式ドブソニアンの1 1/4”接眼部につけ、ほとんどイーソス13mmだけでその日の夜空を満喫した。見掛け視界の違いをみてみようと、ナグラー13mmと比べてみたが、あのナグラーがプローセルのように感じてしまう。イーソス13mmの収差補正はナグラーレベルに達していながらも、100度の広い視野いっぱいに圧倒的なシャープネスが支配する。だからこそ、テレビュー社が13mm以外のイーソスを出すと発表したときは、私のなかで膨らむ期待を抑えることができなかった。さらに、このイーソスシリーズの記事を書かせてもらうこと自体、感動ものである。
イーソスシリーズはいずれもそつなく梱包されて到着したが、イーソス17mmだけは少しカタカタと内部でわずかな音がした。さっそく同社社長デビット・ナグラーに問い合わせたところ、工具を使うことなく簡単に直すことができた。これまでずいぶんテレビューアイピースを手にしてきたが、あえて問題といえばこれがはじめてのこと。とにかく、今回はじめて、テレビュー社の良質なカスタマーサービスを直に受ける機会に恵まれた。また、ニューヨークからこのハワイまで8,851キロを超える長旅で、この小さなガタを除けば、ほぼ完ぺきな状態で届けられていることも付け加えたい。過去、長距離を経て届いた商品が完全に破損していたことも決して少なくない。とにかく、空も晴れ、夕日もうすらいできたので、すばらしいイーソスシリーズを持って出かけることにした。月のない、気温が15度を下回る夜、聞こえてくるのはときより木々を揺らす風の音だけである。
ナグラー、パンオプティック、ラジアンのほか、広角アイピースをいくつかセットし、イーソスとの比較を試みようとしたが、実際はいずれもイーソスとは比較できない。イーソスの見掛け視界はとてつもなく広く、視野領域はナグラーアイピースの倍なので、リンゴとミカンを比べるようなものだ。この夜はほとんど、自作の口径40センチ、F4.5トラス式ドブソニアンに、テレビュー社のパラコアを装着して過ごす。パラコアは、パラボラを主鏡に持つニュートニアン特有のコマや像面湾曲を補正してくれる。視界がナグラーの倍もあるアイピースを覗いている感覚がなく、どのイーソスでも周辺まで完璧に収差が補正されている。視野中心と視野端で、星像はまったく変わりなく見える。多くの場合、視野周辺をみるには目を回すようになる。ただし、単眼の周辺視覚は50度なので、視野中心に目を集中すれば視野環も自然と見えてくる。ナグラーのときもそうだったが、自らの周辺視覚を意識するようになり、周辺視覚が観測に影響することがわかる。
低緯度の暗い夜空の下、イーソスで流した射手座にはほんとうに魅せられる。倍率が上がった分背景が暗くなったうえ、広範な見掛け視界100度のおかげで対象全体を一度にみわたせるため、手持ちの小さな屈折望遠鏡でも、B92のようにまっすぐ伸びた暗い星雲が突然「よみがえる」。お気に入りのオメガ星雲、干潟星雲, 三裂星雲も、以前はアイピースの絞り環で隠れていたが、膨大な数の星で囲まれていることを知らされる。また、これまでみたことのない網状星雲の姿も忘れがたい。M81/82のように複数の対象をひとつの視野内に囲み、より高い倍率で観ることで、詳細がさらに浮き立ってくる。二重星団はダイアモンドをちりばめたようにピンポイントに輝く。二つの領域をより高い倍率で囲むことができるため、これまでは片方ずつ「クローズアップ」してはじめて識別できた星々の微妙な色を、クローズアップすることなくとらえる。
イーソスは、視野内にとらえた惑星の大きさと形状が視野全域で変わらないように設計されている。Rutten、van Venrooij共著の「Telescope Optics」で解説されている「角倍率」収差を補正することで実現。超広角設計のため直線の糸巻現象はあるが、ナグラー5_31mmやパンオプティック35mmの糸巻現象ほどはない。
イーソスシリーズの特徴を考慮すると、15mmというアイレリーフはとてもよい。メガネを掛けることのない私がイーソスを覗くと、「ブラックアウト」する直前で100度の見掛け視界全域をみわたせる。ナグラー5_31mm同様のゴム見口が装着され、折り返すことでメガネを掛けたユーザーにも使えそうだ。同社のホームページにも記載されているとおり、イーソスシリーズのアイレリーフは15mmに統一。私には快適な長さだ。さらに、乱視補正を可能にするディオプトロクスにも対応している。
こんどはバローレンズとの組合せを検証してみる。バローレンズではないが手持ちのパワーメイト2.5xとイーソスを併せてみたが、まるで一本のアイピースを覗いているような感覚。単に倍率が2.5倍になるだけでまったく問題を感じない。また、イーソスが廉価版のショートバローでも問題なく使えることは驚きである。ケラレもなく、15mmというアイレリーフもあいまって、ショートバローのあらも感じない。ここまでくると、イーソスの設計には文句のつけようがない。 イーソス13mm、10mm、8mm、6mmはいずれも、1 1/4”バレルと2”バレルのいずれかを使うことができる。2インチバレルを使うときは、バレルの固定ネジを外す。暗闇のなかでアイピースを交換するとき、2”-1 1/4”アダプターを探さなくて済むので、個人的には2”バレルの方を使いたい。また、2”バレルの方が接眼部にしっかりと保持でき、アイピース交換でのピント修正も少ない。2”バレルにはアンダーカットが施され、接眼部の締めがあまくても安全だ。他のテレビューアイピース同様、イーソスの造りもすばらしい。
イーソスの10mmと13mmが同焦点で、イーソス17mmと21mmはナグラー5_31mmとほぼ同焦点である。
イーソスはみかけより軽い。収差補正レベルの高さからして、魅惑的なレンズ素材が非球面加工されているのではないかと思う。それぞれのレンジのレンズ枚数は8枚以下らしいが、そのレンズ構成を示す情報はない。いずれにしても、自作の大型ドブソニアンや小口径の屈折望遠鏡にどのイーソスを装着しても、バランスをとりなおす必要がない。重量の差に気をまわすことなく、観望し続けることができた。イーソス13mm、10mm、8mm、6mmはいずれも双眼装置で使用できる。
イーソスのコーティングもすぐれものである。イーソスを少し横からみるとわずかに緑と紫がかった色がうかがえるが、まっすぐ覗けば色は完全に消えてしまう。夜望遠鏡に装着したイーソスからは、散乱光、反射光、ゴーストのいずれも感じられない。手持ちのナグラー5_16mmとイーソス17mm、ナグラー6_9mmとイーソス8、10mmの比較にはたっぷりと時間をとる。イーソスにはナグラーシリーズとは異なるコーティングが施されている情報は得ているので、それを自分自身で比較してみることにする。確かに、イーソスのコーティングはナグラーとは異なる。色にやや鈍感になりつつある私の目でも、恒星はわずかに白っぽくみえるも、恒星の色は容易に識別できる。いきいきとした白と落ち着いた見え方は詳細をかき消すどころか、よりはっきりと識別させてくれる。ある夜、イーソスで観る木星の縞は、ナグラーやその他のアイピースよりもわずかによい。コントラストの低い天体は、イーソスで覗いたときのほうがわずかにきわだつ。イーソス6mmと他社のワイドフィールド6mmを比較したときは、その差に驚く。広角アイピースは惑星観測には向かないという人もいるが、ぜひイーソスをお試しいただきたい。
次に、口径80mm F6の屈折望遠鏡にイーソスを装着し、月のない夜空で何度か観望してみる。この屈折望遠鏡はすぐれた光学系だがわずかに色づきがあるため、色の評価は控える。この屈折望遠鏡にイーソスを装着し、ほんとうに目を凝らしたとき、イーソスの視野がほんのわずかだけ湾曲していることが判る。いずれのイーソスでも、対物に起因する像面湾曲が視野周辺10度くらいのところからみえてくる。これが、イーソスに比べて見掛け視界の狭いナグラーでは、対物の像面湾曲がまったく判らない。もっとも、イーソスでみえてしまう対物の湾曲もよほど気をつけてみないと判らない。最初は視野中心の星像は視野周辺の星像と同じくらいシャープにみえたが、さらに観望を重ねると、屈折望遠鏡のデュアルフォーカサーの微動をわずかに回したところで視野周辺のピントが合う。イーソスはフラットフィールドなアイピースで、比較的高い倍率で広い実視界を実現するため、見掛け視界の狭い他のアイピースでは判らなかった対物光学系に起因する像面湾曲を感じる人がいるかもしれない。パラコアを併用した手持ちのドブソニアンでは、(焦点距離が長く湾曲量が少ないので)恒星は視野周辺までシャープに結像する。とりわけ、口径80mm F6の屈折望遠鏡に長い焦点距離のイーソスを装着したとき、対物の像面湾曲を視野周辺でわずかに感じる。私のように高齢になると以前ほど像面湾曲を吸収できなくなるが、このレベルの湾曲なら余裕で吸収できる人もいるだろう。
イーソスを手持ちのアイピースと比較していて気付いたことは、アイピースをイーソスだけでそろえると、アイピースの数をかなり減らせるということだ。イーソスの価格は高いが、6本の代わりに3本で済ますことができればトータルの価格は決して高くない。以前、望遠鏡を1台入手した後、アイピースを6本も買い増したことを思い出す。そのとき、アイピースだけは量より質であることを学習する。「とりあえず」手に入れたプルーセルは後にほとんど使わなくなったからだ。イーソスをそうしたアイピースと比べることができないのはもちろんだが、ナグラーでそろえた場合と比べても、アイピースの本数を確実に少なくできる。
結局、何年も前のことになるが、テレビュー社がはじめてナグラーを発表したときと同様、イーソスの誕生でまたアイピースのハードルが上がることになった。最初に100度の見掛け視界を体験したときはどうしても広すぎる感覚が禁じえず、見掛け視界の狭いアイピースを覗こうとするが、またイーソスを覗きたくなる。どの望遠鏡でも収差補正はほぼ完璧なだけでなく、惑星用アイピースとしても優れものだ。あらたに発売されるイーソス21mmの小さな射出瞳径と広い実視界は、とりわけ光害の夜空で観測を強いられるドブソニアンユーさーには大いに歓迎されよう。超広角の見掛け視界を誇るイーソスを使うことで、広い実視界を保ちながら、より高い倍率で観望することができる。こうした特徴はもとより、イーソスの外観や重量も画期的なメリットである。広角アイピースに興味があれば、単なる広角では表現できない、スーパーワイド、ウルトラワイド、いや「ハイパーウルトラメガワイド」のような新語をあてたくなるイーソスを手にするよう強くお勧めしたい。テレビュー社の言葉を借りれば、「マジェスティファクタ」といってもよい。とにかく、ここで述べたことはすべて「実際に体験したこと」である。 本記事を終える間際に、今度はイーソス21mmもレビューできることが分かった。まだ夜空の下でイーソス21mmを覗いたことはないが、また興味深いレポートができそうだ。その1本だけで一つの記事を書くに値するイーソス21mm。次号の記事に期待していただきたい。
テレビューイーソス 21mm
私は淡い天体のハンティングが誰よりも好きな熱心な天文ファンの一人だが、低倍率の広角アイピースで夜空を何の目的もなくながして観るのも、お気に入りの観望スタイルだ。なかでも、天体を「発見」した後、その天体が何であるのかを星図で確認するのが何よりも楽しい。天体の等級や大きさを手がかりに、必ずしもその夜観る予定ではない天体を含め、数多くの天体を楽しんでいく。こうして、少し怠け者の罪悪感を抱きながらも、それまで過小評価していた宝石を発見することも少なくない。
ファインダーではとらえることのできない天体に使うアイピースを選ぶときは、おそらく多くの天文アマチュアと同じように、ある決まりを適用する。すなわち、実視界が広く、視野周辺まで収差が良好に補正され、非恒星天体を識別できる倍率であることを前提にアイピースを選ぶ。その昔、広い実視界を得るためしばしば倍率を犠牲にしていた(低倍率を選ばざるを得なかった)。
あるとき、広視界の2”アイピースが最も良いと思い、テレビューアイピースを手に入れ始めた。いくつもの1 1/4”テレビューアイピースのほかに、パンオプティック35mmを所有することになった。このときは、伝説のナグラー5_31mmという究極のアイピース(別名「ザ・ターミナグラー」)が発売される前のことだ。その当時、パンオプティック35mmは確かに最良の選択肢だったが、私の目も徐々に衰えてきた。手持ちの短焦点ドブソニアン(F4.5、パラコアと併用するとF5.2)では射出瞳径が気になりはじめた。とりわけ、比較的明るい夜空の下、この短焦点ドブソニアンで24~28mmのアイピースからスタートする。多くの場合、パンオプティック24mmをファインダー代わりに使い、1 1/4”アイピースだけで観望を済ませていた。パンオプティック24mm自体はすばらしいアイピースだが、40センチドブソニアンでは実視界が3/4度しかとれず、「きままな星空散歩」をこよなく楽しむ私には少し物足りない。それも、イーソス21mmの誕生ですべてが変わる。
見掛け視界が広ければ、広い実視界を保ちながらも、倍率を上げることができる。たとえば、見掛け視界100度のイーソスの場合、パラコアを併用した手持ちの40センチドブソニアンで100倍になる。この高い倍率で、このドブソニアンの最も広い視界を実現できる。この実視界を見掛け視界50度のプルーセルで得ようとすると、40mmの2インチアイピースを使うことになる。倍率が52倍になってしまうだけでなく、射出瞳径が7.7mmになり、私のドブソニアンでは使いものにならない。同じドブソニアンで68倍、実視界1.14度、射出瞳径6.0mmという快適さを提供してくれるあのナグラー5_31mmと比べても、イーソス21mmなら、倍率はさらに高く、見掛け視界領域が倍になり、ほぼ同等の実視界、わずか4.0mmの射出瞳径、ということになる。イーソスが非凡かつ革新的なアイピースであることは明らかで、同じ実視界を前提にすれば、どのアイピースと比べても、より高倍率で、より暗い背景をもたらしてくれる。
こまでは自分自身わくわくした数字を並べてみたが、イーソス21mmで体験した星空について語りたい。まず、イーソス21mmはどの望遠鏡に装着しても、そのすぐれた性能をいかんなく発揮するだけでなく、使いやすいアイピースでもある。重量はわずか1kgなため、他の重量級の2インチアイピースのような重量バランスの問題がない。私のように大きなドブソニアン使いには、重量バランスは常に重要な要素だ。アイピースを取り換えるごとにカウンターウェイトを調節し、高度軸が動いてしまうことを気にかけることなく観望していたいものだ。
イーソスのアイレリーフは私にとって快適な15mmだ。広い視野を覗くために目をアイレンズに押しつける感覚もなく、アイレンズから離れすぎてブラックアウトを起こすこともない。15mmのアイレリーフはちょうどアイガードに触れる長さで、落ち着いて観望することができる。メガネを掛けたひとのために、ナグラー5_31mmやその他のテレビューアイピース同様、折り返し式のソフトアイガードが装着されている。21mmは、他のイーソス同様、コーティングがすばらしく、角度をつけたときにだけ、わずかに紫/緑がかってみえる。イーソスシリーズのコーティングは、旧ナグラーのコーティングとはわずかに異なる。イーソスの場合、やや冷たい感じを受け、白がよりはっきりする。同時に真の恒星色をみせてくれる。冷たい感じはわずかな違いだが、天体がきりりと引き締まって見えることが多い。
ハワイにある自宅の裏庭からは暗く、きれいな夜空が望め、手持ちの40センチドブソニアンにイーソス21mmを装着したとき、これまでにない最高の観望を体験。見掛け視界が言い表せないほど広く、視界がどこまでも広がっていく感覚である。2インチのワイドフィールドアイピースと比べても、イーソスはまったく別世界を体感させてくれる。イーソスを双眼に装着し、まずは片目を手で塞いで観る。その後、目を塞いでいた手をどかし両目でみたときの「驚き」はまさに劇的である。M42のような代表的な天体も、より広い視界と高い倍率があいまって、広い領域を一度に見渡すことができるだけでなく、より詳細にみえてきて、自分のなかのM42のイメージを新たにした。M81/82のような複数の天体を囲んで観る楽しみも増す。ぼんやりとしたしみのような集まりでなく、いずれの天体も極めて詳細までとらえることができる。イーソス21mmを介しまったく異次元の星野に出会い、北半球低緯度の地平線から立ち上がり、地平線まで沈み込む天の川を探索するという魅惑的な体験を享受する。M57のように小さなかたまりの惑星状星雲を気軽に観るときでも、アイピースを交換する必要はない。前記事でイーソス17、13、10、8、6mmについて述べたことだが、イーソスでアイピースをそろえれば、必要なアイピースの数が少なくて済む。私の40センチドブソニアンの場合、イーソス21、13、8mmの3本で十分。もちろん、手持ちの望遠鏡と、必要とする倍率により別の組み合わせもあろう。いずれにしても、イーソスはほかのどのアイピースよりも多才である。
周辺の収差について言えば、私の眼は年齢とともに、20代、30代の私のように対物の像面湾曲に適応できなくなっているが、イーソス21mmが繰り出す驚異的な広さの見掛け視界100度でも、対物の像面湾曲はほとんど感じることがない。対物の像面湾曲をわずかに感じたのは口径80mm F6の屈折望遠鏡を使ったときで、口径40センチのドブソニアンで認識できたのはごく周辺のほんのわずかだけ。非点収差のない2つの望遠鏡でイーソス21mmを試したが、糸巻現象も驚くほど少ない。明るい恒星なら絞り環から20%あたりから横方向の色をわずかに感じるが、ナグラー5_31mmでみる色よりもさらに軽微。目立った反射光、散乱光、ゴーストは皆無で、視野からわずかに外れた明るい恒星の光も影響しない。星は小さく結像し、望遠鏡のピントも容易に合わせることができる。しばし思うことは、良いアイピースの選び方は、とやかく言わずに、まず覗いてみることだ。イーソス21mmは他のアイピースにはないものを感じる。私の観望体験を広げてくれたアイピースであり、これ以上どうしろといのかという仕上がりだ。 視野絞り環の直径は公称36.2mm、実はナグラー5_26mmのそれを上回り、パンオプティック35mmと比べても数ミリ小さいだけ。イーソス21mmは、ナグラー5_31mmおよびイーソス17mmとほぼ同焦点設計。くわえて、他のイーソス同様、テレビューディオプトロクス対応で、乱視に悩むユーザーにも配慮されている。
イーソス21mmは星空観望を満喫させてくれるだけでなく、その外観も楽しめる。他のテレビューアイピース同様、品質と造りはすばらしい。2インチのクロムバレルには接眼部から不用意にずり落ちないようセーフティアンダーカットが施され、アイピースボディを包むラバーグリップのおかげで、手袋をした手でも持ちやすい。また、ボディ形状も持ちにくいほど大きくもない。手の大きな私でも、ナグラー5_31mmを持つときはいつも両手を使うが、イーソス21mmならそんなことはない。
要するに、イーソス21mmは本質的にパーフェクトなアイピースである。いくらテレビュー社とはいえ、イーソスのレベルを超えて設計できるとはとうてい想像できない。イーソス21mmは、間違いなく、私がこれまで使ってきたアイピースのなかで最高の2インチ広角アイピースだ。これまではすばらしい2インチアイピースだと思えていたものも、今となっては「グッドな」アイピースにすぎない。私には、イーソス21mmは超えるべきバーを上げたとしか言いようがない。とにかく、自分自身で覗くまではその真価を理解できないアイピースだろうし、一度覗いてしまうと手にいれたくなるに違いない。

(株)ジズコ

東京都渋谷区恵比寿4-4-2 クレスト恵比寿1101
〒150-0013 Tel 03-5789-2631 Fax 03-5789-2632
e-mail sales@tvj.co.jp
このサイトに対するご意見ご感想をお待ちしています